擦り切れた背広の背中の穴を、直すことはできますか
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2022/07/13
ブログ
夏物と思われる少し薄手で、チェック柄のジャケットタイプを拝見しました。
背中に擦れたのか、大きく穴になっている所の修理のご相談をお伺いしました。
かけはぎの修理で、穴を塞ぐことができますのでそのようにご提案しました。
穴が空いた傷を目立たせない技術を磨く専門の方がいらっしゃるというのは、心強いことではあります。物を大切にと思う、日本人らしい習性ゆえでしょうか。
お客様のご事情をお伺いした上でですけれど、お直しが可能なことと、どこまでの修理をお望みかを初めに確かめることを大切にしています。
お直し可能であっても、どうしても直したいお気持ちにならないとかけはぎを選んでいただくことはできません。
かけはぎ修理の特徴は、繊維をできるだけ糸同士を紡いで柄を戻すことです。
柄によって、糸を取っても目立たない所から選んで少しずつ再生していきます。
手間の必要な修理となるため、比較的高くなることが多いです。
柄の再生、という細かい作業ではあるのですが、柄の箇所の糸そのものが細すぎたり、光沢がついてると再生後が目立ってしまうリスクもあるので、どんな見栄えに仕上がるかのご説明も大事になります。
お客様の物を大切にしたいお気持ちに、寄り添うようにできるよう段々と正直な方が良いと考えるようになってきます。
期待値を高くすることも大切ですが、最近もお客様のお話をお伺いしながら、応え方が変わってきたなと思いました。